浮気・風俗通いによる離婚

2015-05-23

離婚の原因が相手の浮気や風俗通いというケースが多くあります。
浮気や風俗通いは、民法上「不貞行為」となる場合と「その他婚姻を継続し難い重大な事由」となる場合があるので順に説明します。

 

1 不貞行為

⑴ 不貞行為とは何か

民法770条1項1号 は、「配偶者不貞な行為があったとき」に離婚できると定めています。
不貞行為とは、夫婦の一方が、自分の意思で配偶者以外の者と性行為をすることです。

 

「自分の意思で」ですから、例えば強姦被害に遭った場合は不貞行為にはあたりません。「自分の意思で」あれば良いので、生活苦のために売春行為をしても不貞行為にあたります。
「配偶者以外の者」であればいいので、相手は風俗嬢でも不貞行為にあたります。
「性行為」をすることが必要ですので、浮気や風俗通いが全て不貞行為になるわけではありません。また、同性愛の場合も不貞行為にはあたりません。

 

上記の定義に当てはまらない場合でも、あとで説明する「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるとして、離婚や離婚慰謝料が認められる場合があります。

 

なお、「一回だけの不貞行為は離婚理由にならないんですか?」という質問を受けることがありますが、一回だけであっても不貞行為には変わりないので、離婚理由になります。

 

ネット上で一回だけの不貞行為は、離婚理由にはあたらないとか、一回の不貞行為で離婚を認めた裁判例はないと書いてあるものがありますが、そんなことはありません。

 

ただし、まれに、民法770条2項「裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる」が適用され離婚が認められないこともありますが、あくまで例外的場合です。
なお、不貞回数が少ないことで、離婚慰謝料が少なめになることはあります。

 

⑵ 不貞行為の証拠

《写真・ビデオ》
不貞行為の証拠としてよくあるのが、ラブホテルに出入りする写真やビデオです。
これに関連して、「ビジネスホテルではダメですか?」という質問を受けることがありますが、大人の男女がビジネスホテルの同室に宿泊すれば不貞と認められるでしょう。
ただ、ラブホテルと違って、「一緒にホテルに入った」というだけでは、別々の部屋に泊まった可能性もあるので、その場合は他の証拠と総合しての評価となります。

 

《録音》
配偶者と浮気相手との会話などを録音したものが証拠として出されることがありますが、これも重要な証拠となります。

 

配偶者や浮気相手に対して浮気を問い詰める会話を録音したものが証拠として提出されることもあります。
これも重要な証拠なのですが、ありがちなのが、ほとんど相談者のみしゃべっているという録音です。
このような場合、相手から「浮気を認めるように強迫された」とか、「すごい剣幕で怒鳴ってきたので、その場を納めるために適当に相づちを打った」と主張されることがあります。
ですから、配偶者や浮気相手が浮気を認めている会話を録音するときは、なるべく相手にしゃべらせてください。
録音するのに相手の許可はいりません。

 

《メール、LINE、SNS、ブログなど》
メールやLINE、SNSでのやりとり、ブログの記事などを証拠として提出することも多くあります。

 

携帯メールやLINEを証拠とする場合は、偽造ではないことを証明するために、相手の携帯電話でメール画面を表示させて、その画面が表示されている携帯電話を撮影してください。
そのような余裕がない場合は、メールを転送するような方法での証拠確保でもやむを得ません。
ラインも会話を一括で転送可能です。
詳しい方法は「LINE ログ 転送」などで検索してください。

 

SNSやブログなどの画面を証拠として出す場合は、パソコンのマウスで右クリックして印刷してください。
ウインドウズ10付属のブラウザであれば、画面をそのまま印刷する機能がついているので、画面右上にある「・・・」マークをクリックしてください。
上手くいかない場合は、キーボード右上の方にある「PRTSC・SYSRQ」と書いてあるボタンを押してください。
すると、パソコンの画面がそのままコピーされるので、ペイントソフトなどを立ち上げて貼り付けをすると、パソコンの画面がそのまま貼り付けられます。

 

《ラブホテルのレシート、クレジットカード利用履歴、GPS履歴》
ラブホテルのレシートや、ラブホテルの利用履歴のあるクレジットカード、GPSでラブホテルにある程度長時間停止していた記録があるなど、ラブホテルを利用していた記録があれば、ほとんどの場合はラブホテルを一人で利用することはないため、誰かと利用したといえます。
不貞相手を訴えるならば、不貞相手を特定する必要がありますが、配偶者が不貞を行ったことを証明するだけであれば、誰と利用したかまで特定する必要はありません。
つまり、ラブホテルの利用履歴と、あなたが一緒に行っていないことさえいえれば、不貞が強く推認されます。

 

《その他》
上記は、不貞行為の証拠として多いものですが、他のものでも不貞行為をうかがわせるものであれば証拠になりますし、一つでは不貞行為と認定できない場合でも、複数の証拠から不貞行為が認定されることもあります。
ですから、「こんなものが証拠になるのかな?」と思った場合は、とりあえず取っておいてください。

 

2 不貞行為にあたらない(証明できない)浮気・風俗通い

上記の通り、民法770条1項1号の「不貞行為」といえるためには、性行為があったことを証明する必要があります。

 

しかし、性行為までは証明できなくても、社会常識的に考えて親密すぎる男女関係が証明できる場合は、民法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚が認められることがあります。
たとえば、キスや抱き合っている写真がある場合などがこれにあたります。

 

また、風俗通いも配偶者が嫌悪感を抱くのが通常ですから、たとえ性行為がない場合でも「婚姻が継続し難い重大な事由」として離婚が認められる場合があります。

 

浮気が「不貞行為」ではなく、「婚姻を継続し難い重大な事由」と認定された場合、一般的に不貞行為より浮気の程度が軽いとえいるので、離婚慰謝料の金額は、不貞行為の場合より低めとなります。
具体的な金額は、浮気相手との親密さの程度や交際継続期間などから裁判所が判断することになります。

 

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