有責配偶者からの婚姻費用請求が制限される場合

2015-03-19

浮気をした方などの有責配偶者(離婚の原因を作った方)が勝手に家を出て行きながら、婚姻費用を支払うように請求してくる場合があります。

 

このように有責配偶者からの婚姻費用分担請求がなされた場合、裁判所は、信義誠実の原則に違反する(民法1条2項)、または、権利の濫用(民法1条3項)として、婚姻費用の請求を認めない、あるいは金額を制限することがあります。

 

もっとも、婚姻費用とは、生活費であり、日々の生活に必要なものですから、婚姻費用を請求する側が離婚について責任があることを厳密に認定していたのでは、生活が立ちゆかなくなります。
そこで、上記のように婚姻費用の請求が制限されるのは、有責性(浮気など)を婚姻費用の請求者も認めていたり、有責性についての明確な証拠があるような場合に限られます。

 

また、婚姻費用の請求者が子供を連れて出て行ったような場合には、婚姻費用の中に子供の生活費も含まれるところ、子供には何の責任もないので、婚姻費用の請求が信義誠実義務に違反する、あるいは、権利濫用となる場合でも、子供の生活費相当額は認められることになります。

 

《東京家庭裁判所平成20年7月31日審判》
「別居の原因は主として申立人である妻の不貞行為にあるというべきところ、申立人は別居を強行し別居生活が継続しているのであって、このような場合にあっては、申立人は、自身の生活費に当る分の婚姻費用分担請求は権利の濫用として許されず、ただ同居の未成年の子の実質的監護費用の分担として請求しうるにとどまるものと解するのが相当である」

 

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