年金分割

2015-08-13

1 分割の対象となる年金の種類

離婚時には、年金分割が認められますが、この分割が認められる年金は、厚生年金と共済年金(平成27年10月に厚生年金に統一される予定)だけです。
国民年金や企業年金などは年金分割の対象とはならないので注意してください。
ただし、企業年金は、具体的な事情によっては、財産分与の際に一定程度考慮されることがあります。

 

2 何を分割するのか

年金分割といっても、もらえる年金を分けるのではなく、これまで支払ってきた金額を夫婦で分け合うことにしようというものです。
いわば年金納付記録を過去に遡って修正する訳ですから、将来給付を受けるときに何らかの届出をする必要はありません。

 

3 分割割合はどうなるのか

分割割合については、平成20年4月以降かどうかで取扱いが異なります。

 

平成20年3月末までの分については、当事者の合意または裁判所の判決(審判でも可)で決められた割合となります。
もっとも、原則として0.5(50%)とされ、その割合が不当と考える方が、具体的事情を主張することになります。

 

平成20年4月以降の分については、3号被保険者(専業主婦など)の場合の分割割合は当然に0.5とされます。

 

4 年金分割の期間制限

年金分割については期間制限があり、離婚が成立した日から2年間に年金事務所または共済組合で手続をする必要があります。
2年ぎりぎりで家庭裁判所に年金分割調停や審判を申立てた場合、調停の成立や審判が2年経過後になってしまいます。
この場合には、特別に調停成立または審判確定の日から1か月以内に年金事務所や共済組合で手続をすれば、年金分割が認められます。

 

5 具体的手続

年金分割は、当事者の合意で行うこともできるので、まずは話しあってみてください。

なお、話し合いで解決出来た場合でも、公正証書にしておくことが必要です。

 

話合いで合意ができないときは、相手の住所地を管轄する家庭裁判所または合意で決めた家庭裁判所で調停を申立てますが、すでに離婚しているかどうかで手続が異なります。

 

すでに離婚している場合は、年金分割の割合を定める調停を申立てることになります。
調停ではなく審判(裁判所が決める手続)を申立てることもできますが、ほとんどの場合、裁判所の職権で調停に付されますから、最初から調停を申立てておいた方が良いでしょう。
どうしても調停では困るという場合は、その事情を説明する書面も同時に提出しておいた方が良いでしょう。
なお、審判の場合は、あなた自身の住所を管轄する裁判所で申立てることも可能です。

 

調停(審判)の申立には、調停(審判)申立書と「年金分割のための情報通知書」が必要となります。
「年金分割のための情報通知書」は、厚生年金の場合は年金事務所、共済年金の場合は共済組合でもらうことができます。

 

手続や申立書式などについては、裁判所の年金分割の割合を定める審判又は調停のページに載っています。

 

離婚と同時に年金分割を請求する場合には、離婚調停申立書のチェック欄に年金分割に関する項目があるので、そこにチェックをして、年金分割のための情報通知書を添付して提出しましょう。

 

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