離婚調停の流れ

2015-03-09

離婚調停の申立方法は分かった、当日はどんな風に調停が進むの?
そう思ってらっしゃる方のために、離婚調停手続の流れを説明します。

 

1 裁判所に着いたら

裁判所の混み具合にもよりますが、調停を申立てると2週間ほどで、1回目の調停期日が決まります。
調停期日は、申立から1か月半~2か月先になります。
裁判所から連絡のあった日時に裁判所に行きましょう。
弁護士に依頼しても、調停には、原則として本人が出席する必要があります。
このとき、通常は、相手方も同じ時間に呼び出されているので、会いたくない場合は、早めに行くようにしましょう。

 

持ち物は、筆記用具、スケジュール帳、申立書類の控え、疎明資料(証拠)です。

 

裁判所に着いたあと、東京ですと、「申立人(相手方)待合室」と書いてある部屋で待っていれば、担当の調停委員の方が呼びに来ます。
地方の裁判所では、まず家庭裁判所の受付で、離婚調停に出席するために来た旨を告げて、受付番号をもらってから待合室に行かないといけないところもあります。
よく分からなければ、とりあえず受付に行って、どうすれば良いか聞いてみましょう。
家庭裁判所の受付がどこか分からない場合、裁判所の1階に案内の係の方がいるので、その方に聞きましょう。

 

2 手続の説明

待合室で調停委員の方に呼ばれたら、調停室(4畳半くらいの小さな部屋のことが多い)に案内されるので、荷物を持ってついていきます。

 

調停は、基本的に2名の調停委員によって進められ、裁判官が出てくることは滅多にありません。
子供の親権や、面会交流が問題になっている場合には、裁判所調査官も同席します。

 

部屋に入ると、まず手続の説明がされるのですが、東京家庭裁判所では、数年前から相手方も同席のうえで手続を説明するようになりました(千葉家庭裁判所も同じ運用のようです。大阪家庭裁判所は原則として行っていません)。
ここで相手方と顔を合わせることになるので覚悟しておきましょう。
裁判所は、同席の理由として
①当事者が手続の透明性を実感して、家庭裁判所への信頼を持つようにする
②当事者が、手続の内容、進行予定、 他方当事者の主張や争点を的確に理解して、これ を当事者双方及び裁判所の三者が共有すること等 が不可欠である
としています。

 

もっとも、DVの被害(暴言を含む)を受けていたり、精神科や心療内科等に通院中であるなど、顔を合わせることについて具体的な支障がある場合には、同席での説明は行われません。
その場合は、離婚調停の申立の際に提出する「進行に関する照会回答書」に、同席したくないことと、具体的な理由を書いておきましょう。

 

なお、東京家庭裁判所は、同席説明の取組み の目的や内容についての理解が利用者に定着す るまでの当面の間は、同席自体に具体的な支障はないけれども、本人が頑なに拒否するなどの場合には、同席説明はしないとしており、本コラム執筆時点(2015/3/9)では、同席拒否が認められています。
ただ、東京家庭裁判所の見解が、「当面の間は」同席を無理にはさせないとしているため、今後は拒否しても同席を命じられることが出てくるかもしれません(そんなことをして調停が上手くいくようには思えないのですが・・・)。

 

具体的な説明の内容は、調停手続の流れを簡単に説明するのが一般的です。
たとえば、「これから部屋に順番に入ってもらって具体的な事情を聞きます。お互いの主張を明らかにして、場合によっては調停委員から意見を言うので、検討してください。話し合いがまとまると、調停調書として書面に残します。話し合いがまとまらなかった場合には、調停は不成立となり、調停は終わります。その場合は、離婚裁判などをしないといけなくなります」といった感じです。

 

3 期日の進行

調停のおおよその時間は、合計2時間程度です。
若干長くなることもありますし、話し合う点が少なければ短くなることもあります。
原則として、申立人(30分)→相手方(30分)→申立人(30分)→相手方(30分)、となります。
ある程度話し合いが煮詰まってきたら臨機応変な対応となり、この通りに進まない場合もあります。
話合いが煮詰まった場合などに、評議といって、調停委員と裁判官が話し合う時間が取られることもあります。
評議の後は、評議で話し合った内容が伝えられます。

 

⑴ 申立人からの聞き取り①

手続の説明が終わると、まず、申立人側から、事情を聞かれます。
上記の通り、時間は30分程度です。
少しくらいなら延長してくれますが、話しが脱線しないように気をつけましょう。

 

調停委員の方から、結婚してからこれまでの事情、離婚をしたい理由、どんな点が問題になっているのかなどの質問をされるので、それに答える形で説明をしていきます。
言いたいことがあるのに、調停委員の方が質問してくれない場合は、自分から「●●の点も話し合いたい」などと言ってください。
なお、調停委員は、このとき話したことを相手方に一言一句伝える訳ではないため、どうしても伝えて欲しいことがあれば、「●●のことは必ず伝えて欲しい」と言いましょう。

 

なお、婚姻費用分担請求が同時に行われる場合、そちらが優先的に話し合われるのが通常です。
また、子供との面会が問題になっている場合には、そのことが最優先に話し合われます。

 

スムーズに進めるには、事前に主張したいことの要点をメモしておくと良いでしょう。

 

⑵ 相手方からの聞き取り①

申立人の話が終わると、次は、相手方の番です。
申立人の主張の概要が説明され、相手方としてはどう思っているのかなどの質問がありますから、質問に答える形で説明しましょう。
上記と同様に、自分の言いたかったことを質問してくれないときは、自分から話してください。

 

⑶ 申立人・相手方からの聞き取り②

相手方が終わると、再度申立人が呼ばれ、相手方の主張の概要が伝えられ、合意できる点はないかや、反論はないか質問され、両者の言い分を聞いたうえでの調停委員の意見などについても話がされます。
養育費などのある程度定型化されている点については、調停委員の方から積極的に「●●円くらいが相場なので合意できませんか?」などと言われることもあります。
また、申立人と相手方で、全く話しが食い違い、その事実が重要なことであれば、次回までに主張を根拠づける資料の提出をするように求められることもあります。

 

そして、再度、相手方が呼ばれ、相手方との間で、上記と同じようなやりとりがあり、調停は終了します。

 

4 期日の終了

その日の期日が終わると、次回の期日が決められて終了となります。
次回期日の日程調整のために、スケジュール帳を忘れないようにしましょう。

 

なお、最後に双方同席を求められ、同席のうえで、①今日の期日で話しあったことの確認、②次回で話し合う予定の内容、③次回までに検討しておくことや提出が必要な資料の確認、④次回期日の日程調整、が行われることもあります。

 

大阪家庭裁判所では、原則として最後の同席を行っているようです。

 

5 2回目以降の調停期日

2回目以降も1回目と同様に、裁判所に行って待合室で待っていると、調停委員の方が呼びに来てくれます。
そのあとは、順番に部屋に入って、お互いの主張をしていきます。
なお、一回目と同じように、双方同席の下で、前回の話し合いの確認と、今日話し合う内容についての確認を行うこともあります。

 

6 調停の成立・不成立など

⑴ 調停の成立

話し合いがまとまると、両者立ち会いの下で、裁判官が、合意内容に間違いがないか確認し、「調停調書」というものが作られます。
調停調書は、判決と同じ効力があるので、慰謝料や養育費などの取り決めをしたのに、相手が支払わないときは、強制執行(給料の差押えや、預貯金の差押えなど)ができます。
ですから、調停調書の内容をよく聞き、よく分からなかった場合は確認し、思っていたことと違う場合は必ず訂正を求めてください。

 

なお、調停で離婚したことは、裁判所から市区町村役場に連絡されないので、戸籍を書き換えるために調停成立から10日以内に市区町村役場に、調停で離婚したことを届け出る必要があります。
市区町村役場への届出は、調停の申立人が行うのが原則ですが、申立人が10日以内に届出をしないときは、相手方も届出をすることができます。
離婚の届出をする際には離婚届(署名欄は自分のところのみで大丈夫です)、調停調書の謄本(裁判所でもらえます)を本籍地の市区町村役場に提出します。
本籍地でない現住所の市区町村役場に提出する場合は、戸籍謄本も必要です。

 

また、調停で年金分割について取り決めた場合にも、年金事務所に届出をする必要があります。
この場合は、年金手帳、戸籍謄本、調停調書の謄本をが必要です。

 

東京家庭裁判所では、調停が終わると、その後の手続を説明した書面をもらうことができるので、手続を説明した書面が欲しいと伝えてください。
事前に、お近くの市区町村役場や年金事務所に聞いておくと安心です。

 

⑵ 調停の不成立・取り下げ

調停では合意ができない場合には、両当事者立ち会いの下で、裁判官から、合意できないので調停は終わる旨が言い渡され、調停は終わります。
このとき、裁判離婚を考えている場合には、調停が不成立で終わったことを証明する必要があるため、不成立証明書が欲しい旨伝えてください。

 

なお、離婚裁判を起こすのに期限はありませんが、調停終了から2週間以内に裁判を起こすと、調停申立て時点から裁判を起こしたとみなされ、調停の際に納付した収入印紙代が既に納付したものとみなされます。

 

また、事情によっては、不成立ではなく、調停申立てを取り下げて終わる場合もあります。
その場合でも、実質的に話し合いが行われたといえる事情があれば、離婚裁判を起こすことができます。

 

⑶ 審判離婚

基本的には、調停が成立しなかった場合、調停は不成立になり終了するのですが、まれに審判離婚となる場合があります。
審判は、裁判の簡易版のようなもので、調停での主張や提出された書面も引き継いだうえで、離婚を認めると裁判所が判断するものです。
審判離婚は、離婚に合意できているけれども、財産分与だけが合意できないといった場合に、とりあえず離婚だけ先に判断するものです。
しかし、通常は、離婚に付随する問題は、離婚理由と密接に関連するので、離婚と一緒に裁判で判断され、審判離婚となることはないと考えて良いでしょう。
裁判所の統計でも、審判離婚は、全国で年に1回あるかないかというレベルです。

 

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