過払金って自分で請求できる?
1 過払金請求が自分で出来る理由
過払金請求が活発化したのは平成18年の最高裁判所判決が出てからです。
同判決が出るまで、消費者金融の問題に取り組んでおられる弁護士さんは多くなく、この問題に取り組んでらっしゃった弁護士さんの活動には頭が下がります。
同判決が出てからも、数年間は、消費者金融側が、様々な理論を編み出し、弁護士側も反論に必死でした。
しかし、現在では、過払い金請求における論点は、ほぼ出尽くした感があります。
私も過去数百件の過払金請求のご依頼を受けてきましたが、最近は、新しく考えないといけない論点は滅多にありません。
ですから、過払金請求に関する書面は、ある程度定型化でき、裁判所も定型的に処理しているのが現状です。
もっとも、まれに、あまり例のない変わった取引をしてらっしゃる方もあるため、全ての過払金請求が自分で出来るとはいいませんが、ほとんどの場合は自分で請求することができます。
具体的な過払金請求の方法は、「過払金請求の流れ」で記載したとおりです。
2 過払金請求を弁護士に依頼するか、自分でやるべきか?
過払金請求は、自分ですることもできますが、多くの弁護士事務所、司法書士事務所が扱っています。
そのメリットは何かというと、書面を書く手間が省けるということと、精神的負担が減るというものです。
弁護士に依頼した場合、裁判所に行く手間も省けます。
他のサイトでは、「自分でやると業者になめられる」といったことが書いてありますが、そんなことはありません。
いえ、正確には、弁護士であっても業者は素直に払ってこないので、ほとんどの場合は裁判をして回収するため、自分でやっても弁護士がやってもかわりません。
なお、早期解決をうたっている事務所がありますが、私の知る限り、過払金満額より大幅な減額をして和解をしているので気をつけてください。
なお、大手の消費者金融が相手の場合は個人でされても問題ありませんが、小さな会社の担当者は、非常に態度が悪く、平気で罵ってくる人や合意を守らない会社があるので、その場合は弁護士に任せることをお勧めします。
【関連コラム】
*過払金請求の流れ
*過払金と税
*過払金のよくある誤解
監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。