離婚調停の1回目を欠席すると不利になる?
離婚調停を申立てると、申立人に対しては裁判所から日程調整の連絡がありますが、相手方には一方的に決められた調停期日への呼出状が送られてきます。
そうすると、どうしても離婚調停の1回目は出席できないという場合が出てきます。
そんな時に離婚調停を欠席すると不利になるのでしょうか?
私は、わずかではありますが不利になると考えています。
法律的な観点のみで考えると、1回くらい欠席しても影響はありません。
しかし、調停委員の印象としてはどうでしょうか?
裁判所は否定しますが、調停委員の気持ちを想像してみましょう。
第1回目で申立人が、いかに相手が悪い人間かを切々と訴え、自分が被害者であることを印象づけたとします。
第1回目に出席できれば、申立人の主張していることを具体的に反論することができます。
しかし、第1回目に欠席してしまうと、次回の調停は1~2か月先になってしまいます。
その間に、調停委員は、申立人が主張していた事実の細部は忘れてしまい、ひどい相手と結婚してしまった可哀想な申立人という印象だけが残ることでしょう。
あなたは、そんな印象を持った調停委員を相手に事情を説明しないといけなくなるのです。
それも、調停委員は、細かな事実は忘れているでしょうから、一つ一つの事実に反論するのではなく、漠然と「ひどいやつ」と思っている相手に反論していかなければなりません。
もちろん、上記のようになるとは限りませんが、そのようになるリスクは極力減らしたいものです。
ではどうすればよいかですが、裁判所によっては、調停期日が空転するのを避けるために日程変更をしてくれることがあります(東京家裁は、日程変更を拒否しますが・・・)。
ですから、裁判所から送られてきた離婚調停の呼出状に書いてある第1回調停期日に出席できない場合には、裁判所に欠席であることを連絡することはもちろんですが、期日の変更をして欲しいことも伝えた方が良いと考えています。
逆に、あなたが申立人で、裁判所から「相手方は、最初に決めた期日が都合が悪いので延期して欲しいと言ってますがどうしますか?」と聞かれたら?
もちろん、「とりあえず、こちらの話しだけでも聞いてください」と言って、相手方が来ない第1回調停期日で、時間を気にすることなく、いかに相手がひどいかを説明します。
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監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。