離婚慰謝料の具体例
離婚慰謝料の相場のページで、判決で慰謝料が認められた場合の平均的な金額について説明しましたが、あくまでも平均であって、事情によっては高額な慰謝料が認められる場合もあれば、少額しか認められない例、場合によってはゼロとされる例もあります。
そこで、以下では、離婚慰謝料に関する具体例をご紹介します。
なお、同じような事案でも慰謝料額が大きく異なるものもあり、離婚慰謝料は裁判官の裁量が大きい分野といえます。
【高額の慰謝料を認めた例】
・慰謝料額1500万円(東京高等裁判所 平成1年11月22日判決)
同居期間12年、別居期間40年、夫が別の女性と生活している
・慰謝料額1000万円(東京高等裁判所 昭和63年6月7日判決)
同居期間38年、別居期間17年、夫が別の女性と生活している
・慰謝料1000万円(横浜地方裁判所 昭和55年8月1日判決)
夫に複数回の不貞行為、暴力、夫に多額の財産がある
・慰謝料800万円(東京地方裁判所 平成14年10月25日判決)
婚姻期間28年、結婚6年目に夫の不貞が発覚したが妻が許して再構築
結婚28年目に再び夫の不貞が発覚
夫が妻の連れ子を養子として育てた点を考慮して減額
・慰謝料700万円(東京地方裁判所 平成13年9月7日判決)
結婚12年目に夫が不貞、発覚後妻に暴力を振るうようになり14年目に別居、間もなく不貞関係解消
別居から1年後、再び同居するが、夫婦関係は改善せず、約半年後に再び別居
長女は統合失調症と診断される
・慰謝料500万円(神戸地方裁判所 平成2年6月19日判決)
夫の不貞行為、夫がゴルフやクラブ、バーなどで年間500~600万円の浪費がある
・慰謝料500万円(仙台地方裁判所 平成13年3月22日判決)
婚姻期間33年、夫の不貞を妻がやめるように言うと、暴言・暴行・物を投げつけるなどの行為をし、妻に傷害を負わせ、妻が長女の家で生活せざるを得なくなった
【200~400万円の慰謝料を認めた例】
・慰謝料200万円(東京地方裁判所平成16年9月28日判決)
結婚約30年目に夫の不貞が発覚、成人した子供2人、夫は給与全額を妻に渡し、自身の小遣いのためにアルバイトをしていた。
【関連コラム】
・離婚慰謝料・不貞(浮気)慰謝料の相場
・コラム目次ー男女問題を争点ごとに詳しく解説-
監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。