妻が女性と不倫をした場合も不貞になる!?
産経新聞によると、夫が、妻と不倫関係にあった女性に対し、損害賠償請求をしたのに対し、東京地方裁判所が、妻と相手女性の行為を不貞行為と認めて損害賠償請求を認めたそうです。
【コメント】
相手が同性であろうが異性であろうが、夫婦関係を壊すような行為をすれば、違法行為として損害賠償の対象になります。
そういう意味では、妻が異性と不倫関係にあったことを理由として損害賠償を認めること自体は異論はないものと思われます。
今回の判決は、同性との不倫行為を「不貞行為にあたる」とした点が特異的です。
従来、不貞行為とは性交渉をいうと解釈されていたからです。
この裁判例のような解釈が一般化するのかどうか分かりませんが、このニュースに関するネット上のコメントを見ると、おおむね好意的なようです。
今回の裁判例によると「不貞行為」とは、「婚姻生活の平和を害するような性的行為」と定義されているようですが、具体的に何をすれば不貞行為になるのかがあいまいです。
現場の弁護士としては、相談時に困るので、もう少し具体的な定義あるいは具体例が欲しいところです(報道されていないだけで判決文にあるのかもしれませんが)。
ひとつの目安として、2017年に刑法177条の強姦罪が、強制性交罪に改正され適用範囲を広げたのが参考になるかもしれません。
従来は、刑法では、強制的な性交渉のみを強姦としていたのものが、「性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)」として範囲を広げましたが、民事上の不貞も同様の定義にかわっていくかもしれません。
また、性交渉をともなう不倫とその他の性交類似行為にとどまる不倫で損害賠償額が異なるのかも問題となります。
報道レベルでは、この点が良く分かりませんが、今後の裁判例を注視していきたいところです。
なごみ法律事務所
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弁護士 本 田 幸 則
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監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。