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法律上の離婚理由として「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」というものがありますが、長期間の別居もこのような事由の一つとなります。
では「長期間の別居」とは具体的に何年?と聞かれると、明確な基準はありません。
実際の裁判では、同居期間と別居期間の比較、未成年の子供の有無、別居に至る経緯、別居後の交流の状況などを総合して裁判官が判断されます。
今回は、長期間の別居による離婚が認められるかどうかの判断基準の参考として、東京高等裁判所平成28年5月25日判決を照会します。
この裁判では、同居期間が約10年、別居期間が約4年10か月、13歳の子供ありという事情で、長期間別居をしていること、その間夫に関係修復の意思が見られないことを理由に、既に婚姻関係が破綻しているとして離婚を認めました。
他の裁判例でも、離婚を拒否している側が、夫婦関係の修復について努力が見られないとか、本心で修復を望んでいるとは思えないといったことを理由としているものが散見されることから、裁判所は、離婚を認めるかどうか判断する際には、離婚を拒否する側の別居後の対応も重視していると考えられます。
なお、本事例は、第一審である東京家庭裁判所立川支部では離婚を認めないとの判決となっています。
立川支部で判決が書かれた時点では、別居期間は約3年5か月でした。
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