保険金の財産分与

2015-08-19

1 保険に入っていて満期前の場合

生命保険などで貯蓄性のある保険に入っている場合、解約返戻金(かいやくへんれいきん)というものが発生します。
「今解約すると●●円戻りますよ」というものです。

 

このような保険の場合、婚姻期間中に支払われた掛金は、夫婦のお金から支払われたと考えられるので、解約返戻金も婚姻期間に応じて分割されることになります。

 

例えば、保険加入15年、婚姻期間10年、解約返戻金600万円だとします。
すると、600万円×10年/15年=400万円が共有財産として財産分与の対象になります。
ですから、財産分与の割外が2分の1とすると、200万円の支払を求めることができることになります。

 

2 満期になって保険金が支払われた場合

離婚前に保険が満期になって支払われた場合も、上記1の解約返戻金の場合と同じように、支払われた保険金を婚姻期間に応じて分けることになります。
保険金が離婚直前に支払われれば問題は起きないのですが、保険金が支払われてから離婚まで期間があり、その間に使ってしまって減ったということがあります。
その場合は、原則として減った金額を基準に分けることになります。

 

3 事故などで保険金が支払われた場合

結婚している間に交通事故などにあい、高額の保険金の支払があり、その後離婚という場合、支払われた保険金が財産分与の対象になるかですが、

 

・慰謝料については財産分与の対象とならないが、逸失利益については財産分与の対象となるとした裁判例(大阪高等裁判所平成17年6月9日決定)

 

・自賠責保険について、全額を財産分与の対象とした裁判例(大阪地方裁判所昭和62年11月16日判決)。

 

の2つの裁判例があります。

 

慰謝料とは、そのケガを負ったことによる精神的な苦痛をお金にしたものですから、夫婦で協力して作った財産と同じようには考えられないのではないかと思います。
他方で、逸失利益とは、ケガをしなければ得られた(仕事で稼げた)であろうお金ですから、普通に働いて得たお金を貯金していたのと同様に考えて良いのではないかと思います。
ですから、前者の大阪高裁の決定の考え方が基本と考えておいて良いでしょう。

 

【関連コラム】
財産分与の基準時と評価時
子供関係の財産・会社財産は財産分与の対象となるか?
夫婦共有財産でないことの証明
男女問題コラム目次

 

Copyright(c) なごみ法律事務所 All Rights Reserved.