別居中の荷物の引渡し

2015-08-27

離婚に向けての別居で、とりあえず家を出てきてしまった場合、元の住居に荷物を取りに行きたいということがあると思います。

 

多くの場合は、話しあって解決しますが、相手が引渡しに応じなかったり、極端な場合は「捨てる!」といわれたりする場合があります。

 

このような場合、通常は、民事訴訟で所有権に基づく引渡し請求をすることなり、緊急性を要する場合には保全という手続で判決が出る前に荷物を確保することになります。

 

もう一つ、大阪高等裁判所の決定例が一つあるだけですが、家庭裁判所に夫婦の協力扶助の一態様として審判申立を行い(家事事件手続法39条別表2第1項)、審判前の保全処分(家事事件手続法105条以下)という方法で荷物を確保することもできるとされています(大阪高等裁判所平成1年11月30日決定)。

 

これらはどちらも同じ効果があるのですが、審判申立の方が申立書の記載が訴状ほど厳格さが求められないので行いやすいかもしれません。
他方、上記の通り大阪高裁の決定例があるのみで、しかも一審では、そのような手続は認められないと判断されていることから、確実性を求めるなら民事訴訟を起こした方が良いでしょう。

 

では、これらの手続が間に合わず、処分されてしまったらどうなるかですが、その場合は、損害賠償請求をするしかありません。
このとき、損害額は時価額で評価されますし、原則として慰謝料は認められないので、思い出の品などは別居の際になるべく持ち出しましょう。

 

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