親権と監護権

2015-09-20

親権とは、子供に関する財産管理、法律関係の同意、子供の養育などをする権利のことをいいますが、この中で子供の養育をする権利を監護権といって、親権とは別に監護権者を定めることができます(民法766条)。
この場合、親権者は、子供に関する財産管理と法律関係の同意のみをすることになります。

 

裁判例では、親権と監護権を別にする例はほとんどありませんが、離婚が裁判にまでなる事案では、父母の対立が激しいので、親権者と監護権者を分けると両者の協力が期待できず問題が生じるからであって、協議離婚の場合には多く行われているのではないかともいわれています。

 

たとえば、父親側は家の名前を残したいという理由で親権を主張し、母親は子供を育てたいから親権を主張しているが、子供と一緒にいられるなら名前は譲っても良いというような場合には、父親が親権者、母親が監護権者とすることで解決できます。

 

【親権と監護権を分けることを認めた裁判例】

 

〈仙台高等裁判所平成15年2月27日決定〉
離婚時に、長女6歳、長男3歳の親権者を父親として離婚したが、離婚後も母親が子供の監護をしていた。その後、母親が親権者変更の申立をしたのに対し、親権者変更は認めなかったが、監護権者を母親とした。

 

【親権と監護権を分けることを認めたなかった裁判例】

 

〈東京高等裁判所平成5年9月6日決定〉
長女9歳、長男7歳、次女3歳について、第一審が親権者と監護権者を分ける判決だったのに対し、父母両者の性格や関係を考慮すると、離婚後適切な協力は期待できないとして、全ての親権者を母親とした。

 

【関連コラム】
男女問題コラム目次

 

Copyright(c) なごみ法律事務所 All Rights Reserved.