離婚と相手の死亡(慰謝料・財産分与・養育費)

2015-11-19

とりあえず離婚届けを出したけれど、慰謝料や財産分与、養育費について取り決めをする前に相手が死亡した場合、これらについてはどのように処理されるのでしょうか?

 

1 支払をする側の死亡

⑴ 慰謝料について

 

慰謝料の支払義務は相続人に相続されるため、相続人に対して慰謝料を請求することになります。

 

⑵ 財産分与について

 

財産分与義務についても相続人に相続されるので、相続人に対し財産分与を請求することになります。

 

⑶ 養育費について

 

養育費は、その子供の親という身分に基づいて支払う義務を負うものですから、養育費支払義務を相続することはなく、支払義務者が死亡した場合は、それ以上請求できません。

 

ただし、死亡時点で未払分がある場合には、その分は単なる金銭債務になっているので、相続人が相続することになるため、相続人に請求することが可能です。

 

もっとも、養育費の支払義務者が死亡すると、原則として相続人は子供になるため、養育費の相続が問題になることは、ほとんどないでしょう。

 

「では、何か対策ができないか?」となりますが、ひとつの方法としては、相手に子供を受取人とする生命保険に入ってもらうということが考えられます。

ただし、契約者は相手ですから、離婚成立後に解約したり、受取人を変えたりされる可能性は残ります。

 

もう一つ考えられるのは、遺族年金を請求するという方法です。

ただし、相手の生前、相手に扶養されていたことが必要ですから、継続的に養育費を受け取ることなどが必要となります。

 

なお、養育費の支払いについて保証人をつけても、この問題は解決しません。

なぜなら、保証債務は、主債務の存在を前提にしているところ、相手の相手の死亡により養育費支払い義務(主債務)が消滅した以上、保証債務だけが残るということはないからです(保証債務の附従性)。

 

2 請求する側の死亡

⑴ 慰謝料について

 

慰謝料請求権は相続されるため、相続人が相手に請求することが可能です。

 

⑵ 財産分与について

 

財産分与請求権についても相続されるため、相続人が相手に請求することが可能です。

 

⑶ 養育費について

 

養育費は、子供の生活費ですから、相続人ではなく、子供を実際に引き取って育てている方が、相手に請求することができます。

 

【関連コラム】
男女問題コラム目次

 

Copyright(c) なごみ法律事務所 All Rights Reserved.