相手の住所に閲覧制限がかかっている場合の家事事件の申立て

2019-04-01

DV被害などにあっている場合、警察や配偶者暴力相談支援センター、児童相談所等の相談機関などに相談したうえで、市区町村役場で住民票の閲覧制限の申請をすると、ほとんどの場合閲覧制限が認められます。

このような場合、従来は、自治体は、弁護士からの職務上請求であれば応じることもあったのですが、最近は強硬に拒否する自治体があります。

では、このように住民票に閲覧制限がかかっていて相手の現在の住所を知ることができない場合、離婚や養育費請求などはどのようにすればよいのでしょうか?

 

このような場合、家事事件であれば相手の過去の住所などは分かっているはずですので、過去の住所を相手方の住所として記載したり、住所不明で申し立てを行い、別途「上申書」として住民票の閲覧制限がかかっていて相手の住所が分からないと記載した書面を裁判所に提出します。

そうすると、裁判所が自治体に対して、相手の住所について照会をかけてくれて、自治体が裁判所のみに限定して住民票を開示し、調停や裁判の手続きが進むということになります。

 

以上が、現在の自治体、裁判所の取り扱いであり、先日弁護士会から通知が来たのですが、はっきりいって問題は多々あります。

 

一番問題なのは、裁判所が相手の住民票上の住所に書面を送付しても相手が受け取らないときです。

 

通常であれば、住民票上の住所に弁護士などが訪ねて行って、住んでいることが分かれば、住んでいるのに受け取らないということで普通郵便で送ってしまいます。

住民票上の住所に住んでいないことが確認できた場合は、職場宛に書面を送ってもらいます。

職場も分からないときは、公示送達といって、官報と裁判所の掲示板への掲示をもって届いたものとみなします。

 

では、閲覧制限がかかっている場合はどうなるのか?

当然、弁護士が相手の住所を訪ねることはできません。

おそらく、裁判所職員が訪問することになるのでしょうが、そのようなことになったことがないので分かりません。

 

また、裁判所にしか住所が知らされないため、交渉で解決することはできません。

しかも、正当な理由がある閲覧制限ならばよいのですが、でっちあげDV・ストーカーで閲覧制限をかけるケースもあります。

そうすると、当事者が感情的になってしまい、調停や裁判での和解も困難になります。

 

DVやストーカー被害者保護は大切ですが、弁護士にすら住所を教えないという取り扱いは、かえって紛争をこじらせるだけのように思います。

 

 

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