LINEで間接的面会交流?
子供との面会交流は、原則として直接行われるべきものですが、なかには直接の面会が不適切とされるケースもあります。
そんなときは、間接的な面会交流、具体的には、手紙や写真の授受ができないかが検討されます。
この間接的な面会交流について、裁判官からLINEでやりとりできないかという提案をされたことがあります。
その裁判官の口ぶりからは、LINEを使ったことはなく、写真や文字が無料でやりとりできるものくらいの知識のようでしたが、一考に値する提案だと思いました。
たしかに、LINEだと手軽に子供の写真を送ることが出来ます。
関係が良好に保たれれば、将来的に双方向でやりとりし、最終的にはビデオ通話も可能でしょう。
ビデオ通話も上手くいけば、直接面会につながるかもしれません。
逆に、親権者側にして見れば、相手が合意以外の通信をしてきた場合には記録として残るため、今後のやりとりを中止する正当な理由があることの証拠ともなります。
欠点は、タイムラインなどで想定している以上の情報を渡してしまったり、LINEに限りませんが乗っ取りなどの可能性があること、写真を物理的にやりとりするのと違い、スマホに着信がくるので、プライベートに侵入されている感覚が強いといったところでしょうか。
また、遠方で物理的に直接面会が無づかしい場合や、非監護親と面会した場合の子供の反応を見るためにとりあえずという場合はいいのですが、DVがあったり、夫婦間の対立が激しい場合には、相手とLINEでつながっていることさえ心理的に抵抗が激しく実現は難しいかもしれません。
*2023.8追記
上記のようなことを7年前に書きましたが、今では、「まずはLINEなどのビデオ通話で面会してみましょう」と言われることも増えました。
【関連コラム】
・コラム目次ー男女問題を争点ごとに詳しく解説-
・面会交流が制限される場合
監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。