嫡出否認の規定が憲法違反?
朝日新聞デジタル 6月20日(月)5時0分配信によると、兵庫県に住む女性らが、嫡出否認の訴えが夫しか出来ないとした民法774条の規定が憲法に違反するとの訴訟を起こすそうである。
理由は、元夫のDVがあっため子供の出生届けが出せなかったとのことである。
訴状を見ていないので確定的なことは言えないが、民法774条が違憲と主張しても意味がないのではないだろうか?
たしかに、民法774条は、夫のみが子供が自分の子供ではないと主張できる(一部例外がある)。
では、誰を相手に訴えるか?
民法775条が「子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。」と定めている。
とすれば、夫のみが嫡出否認が出来るのが違憲、つまり妻(母)にも権利を認めろということになると、母親が母親を訴える?母親が子供(実質的には母親)を訴える?どっちも無理だと思いますが・・・
あるいは、母を父と読み替えて、母親が父親を相手に嫡出否認の訴えが出来るようにしろということであろうか?
それでは、元夫が当事者として関わることになり意味がない・・・
それとも特別代理人を選任するのだろうか?
特別代理人とは、通常、裁判所が選んだ弁護士だが、その弁護士は、当然のことながら夫婦のことなど知らない。
となると、その弁護士は、元夫と連絡を取りながら訴訟(調停)を進めることになるが、母親は元夫が間接的に関わるのならばいいのだろうか?
私が関わった母親達は、元夫に知られること自体を嫌がっていたが・・・
そもそも、直接の利害関係人である元夫がいるのに、裁判所が特別代理人を選任してくれるのだろうか?
いったいどういう訴えをするのか興味がある訴訟である。
監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。