訴訟救助という制度をご存知ですか?
訴訟救助(訴訟上の救助)とは?
裁判をしたいけれどもお金が無い。
そんな時に、弁護士費用を立て替えてくれる「法テラス」については、法テラスが積極的に宣伝していることから、ある程度知られています。
しかし、裁判所が、裁判をする際に必要な収入印紙代などの支払いを猶予してくれる「訴訟救助(訴訟上の救助)」(民事訴訟法82条以下)という制度については、意外と知られていません。
訴訟救助が認められると
訴訟救助が認められると、裁判を起こすにあたって訴状に貼ることになっている収入印紙などの費用がいらなくなります。
理論上は被告に訴状を郵送したりするための切手(予納郵券)も訴訟救助の対象になりますが、実際には切手代は負担しなければならないことが多いようです。
その後、あなたが裁判で勝訴すれば、猶予してもらった費用は被告の負担となります。
逆に、あなたが敗訴すると、猶予してもらった費用を裁判所に支払う必要があります。
一部敗訴の場合は、判決の中で原告と被告の負担割合が決められるので、その割合にしたがって猶予してもらった訴訟費用を裁判所に支払うことになります。
手続き
訴訟救助を利用するには、裁判を起こすための訴状と一緒に「訴訟上の救助申立書」を提出します。
訴訟救助が認められるためには、①勝訴の見込みがないとはいえないこと、②訴訟費用を支払う経済的余裕がないこと、の2つ要件が必要です。
「①勝訴の見込みがないとはいえないこと」については、訴状の写しを付ければ、よほど無理な主張でないかぎり問題となることはないと思います。
「②訴訟費用を支払う経済的余裕がないこと」については、経済事情について詳しく説明する必要があります。
具体的には、家族構成や収入、支出などについて説明した「報告書」、預貯金通帳、給与明細や所得証明書、法テラスを利用している証明書(民事法律扶助援助開始決定書)、などが必要になります。
書式
行政関係や法律関係の書籍を出版しておられる「ぎょうせい」さんが、訴訟救助申立書の書式を一般公開しておられます。
リンクを張る許可を得ていないので、ご自身で「訴訟救助申立書 書式」で検索してください。「民事訴訟マニュアル書式集」というタイトルですぐに見つかるはずです。
また、最近は、法テラスの申し込みをすると、決定書と一緒に訴訟救助の書式が送られてくるようになりました。
監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。