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録音データの証拠提出方法

録音データについては、調停や裁判で提出するためのルールがあります。

まずは、録音データは、そのままではなく文字に起こさなければなりません(民事訴訟規則144条参照)。
これを反訳といいます。

この反訳は、録音データと同じものである必要があるので、要約してはいけません。

また、原則として一部分の抜粋ではなく、全文を反訳してください。

長い場合は、ある程度きりのいいところで区切り、都合の良さそうな1行だけ反訳というのはやめてください。

そのような反訳が、法律上禁止されているわけではありませんが、その前後に不利な発言があったと思われてしまいます。

反訳をする業者もありますが、高額なのと、ちょっと聞き取りにくいだけで空白のまま返ってくるので、時間的余裕があり、録音を聞き返すのが精神的につらいというのでなければ、ご自身で反訳することをおすすめします。

〈反訳のスタイル〉

反訳をした文書のスタイルに明確な決まりはありませんが、発言内容の前に誰の発言が分かるように名前を入れることは必須です。

また、裁判官が読みやすいように、発言ごとに番号を振っておくことをおすすめします。

たとえば、次のような感じです。

 

1 原告:こんにちは。
今日来てもらったのは、この間の事故の損害賠償の件です。
あのあと病院に行って・・・・・・
2 被告:事故の責任が私にあるのは認めてますし、申し訳ないと思ってます。
でも、この金額は高すぎませんか?
私が聞いたところでは・・・・・・
3 原告:そうはおっしゃいますが・・・・・・

 

〈証拠の提出方法〉

録音データの反訳が終わったら、裁判所に提出することになります。

民事訴訟規則144条の規定からすれば、反訳文が証拠となり、録音データの提出は、相手方が請求した場合のみ出せば良いことになっていますが、コピーしたCDかUSBと一緒に裁判所と相手方に提出しておきましょう。

〈録音データそのものを出す方法もありますが・・・〉

なお、法律上は、録音データを法定で流す形で証拠調べをすることも可能ですが(民事訴訟規則148条参照)、実際にはほとんどされていません。

この方法の場合、証拠説明書の書き方が通常とは少し違い、通常記載すべきことに加えて、次のことを書く必要があります。

・撮影・録音・録画等の対象者(誰と誰の会話かなど)
・撮影・録音・録画等の日時
・撮影・録音・録画等の場所

念のため、通常記載すべき事項を書いておくと
・証拠の標目(タイトル)
・証拠作成者(録音した人)
・立証趣旨(何を証明するために提出するか)
・原本か写しかの区別

なお、できれば弁護士に相談する段階で反訳が終わっていると、録音内容の要点が把握しやすく相談がスムーズに進みます。

 

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