離婚後の親権者変更
離婚時の一時の気の迷いで親権を相手に譲ってしまった、条件付きで親権を譲ったのに相手は守ってくれない、そんなときに親権者を変えられないかと思うかもしれません。
結論から申し上げると、非常に難しいけれど、親権者を変更する方法はあります。
では、詳しく説明します。
1 親権者変更の方法
親権者を変更するには、家庭裁判所で調停または審判をする必要があり、両親の合意によって変更することは出来ません。
具体的には、子供の親族が、親権者の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てることになります(民法819条6項)。
詳しくは、裁判所のページに説明があり、申立書の書式も用意されているので「親権者変更申立」のページにアクセスしてください。
2 変更の基準
では、具体的にどのような基準で親権者の変更について判断されるのでしょうか?
親権者の変更は、現在の親権者の監護実績を踏まえて、親権者を変更する必要があるかという観点から判断されます。
このため、現在の親権者の監護状況に問題がなければ、親権者が変更されることはないので、親権者の変更が認められるケースは少ないのが実情です。
親権者の変更の必要性について、さらに具体的には以下の事情が考慮されます。
・両親の意向
・乳幼児期における母性優先
・子の意思の尊重(10歳くらいから)
・面会交流に関する寛容性
上記のとおり、親権変更判断のうえで、両親の合意は一つの事情にすぎません。
これは、現代では少ないかもしれませんが、両親、あるいは親族の力関係で、むりやり親権変更に同意させられるケースがあるからです。
両親が、真意から親権変更に合意している場合には、育てる気がない方の親を無理に親権者にしても子供のためにはならないのが通常なので、親権変更が認めらえると考えてよいでしょう。
監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。