架空請求かどうかの判断方法
ときどき、「ハガキ、メール、電話で、インターネットサイトなどの未払い金の請求が来たけれども払わないといけませんか?」といった相談を受けます。
今まで受けた相談では、全て架空請求だったのですが、法的知識がない方には、それが架空請求かどうか判断出来ないかもしれません。
その日のうちに手続きをしなければ手遅れになるということはないので、まずは、次の2点を確認してください。
① 裁判を起こしたと書いてある場合
最初に、通知が裁判所からのものかどうか確認してください。
裁判所からの通知は、必ず裁判所の名前入りの専用封筒で、特別送達という書留のような手続きで届きます。
ハガキで届くことはありません。
「どうも裁判所っぽいな」と思ったら、事件番号を確認してください。
事件番号とは、裁判所の整理番号の様なもので、以下のように記載されます。
「●●裁判所 平成●●年(ハ)第●●号」
年度の後のカタカナは、簡易裁判所であれば(ハ)、地方裁判所であれば(ワ)となっているはずです。
ここまでで、「裁判所に違いない」と思ったら、インターネットで裁判所の電話番号を調べて、事件番号を告げて問い合わせてください。
② 弁護士や法律事務所と書いてあった場合
弁護士は、必ず弁護士会に入らないといけないことになっているので、「日本弁護士連合会」のサイトにアクセスしてください。
サイトの中に「弁護士検索」というものがあるので、通知書に書いてある弁護士名や法律事務所名で検索してみてください。
名前がなければ架空請求だと考えられます。
弁護士検索で名前があった場合、そのサイトに書いてある事務所の電話番号に電話をしてみて、通知書の内容を問い合わせてみてください。
③ 弁護士を名乗る電話があった場合
弁護士は、一般的に、証拠に残すためと、回答用の連絡先を明示するため、本当の弁護士であることを信じてもらうために、受任通知を書面で送付します。
いきなり電話をするのは、電話番号しか連絡先が分からないとか、一刻を争うような緊急性を要するケースくらいです。(と書いたのですが、最近、若手弁護士からの直電が増えているようです。で、本当に弁護士か問い合わせたら怒り出したという例もあるようです。突然の電話でいったいどうやって本物の弁護士と判断せよというのでしょう・・・)
相手が弁護士だと名乗った場合には、「登録番号は何番ですか?」とたずねてください。
弁護士は、必ず弁護士会に所属しなければなりませんが、その所属の際に一人一人に「登録番号」というのが割り振られます。
この「登録番号」は、様々な書類に記載するため、弁護士であれば必ず覚えています。
ですから、登録番号をすぐに答えられなければ、偽物の可能性が高くなります。
登録番号が分かれば、後の対応は②と同様です。
つまり、「今手が離せないので」などと言って、適当なことを言って、いったん電話を切って、インターネットで日本弁護士連合会のホームページにアクセスし、サイトの中に「弁護士検索」というものがあるので、登録番号や弁護士名で検索してみてください。
名前がなければ架空請求だと考えられます。
弁護士検索で名前があった場合、そのサイトに書いてある事務所の電話番号に電話をしてみて、通知書の内容を問い合わせてみてください。
以上、とりあえず自分で出来る判別方法ですが、不安な場合はお気軽にご相談ください。
また、架空請求で間違いないという場合は、ぜひとも警視庁の架空請求通報サイトなどに連絡をお願いします(ちょっと手続が面倒ですが)。
監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。