離婚時の企業年金の取扱い
離婚時の年金分割については、厚生年金、共済年金のみが対象となり、国民年金や企業年金は対象になりません。
国民年金は、婚姻関係を続けても離婚しても影響のないものですが、配偶者が加入する企業年金は離婚後は受け取れなくなります。
では、この企業年金の一部を請求できないのでしょうか?
この点について、企業年金は、その形態が様々であり、離婚時の取扱いについて裁判例は統一されていません。
裁判では、財産分与の算定において、企業年金が一時金として支払われた場合を試算し、財産分与額=支払金額×(婚姻期間÷加入期間)÷2としたり、具体的な支払額を計算したうえで、将来の分を早く受け取ることを考慮して減額し(中間利息の控除)た金額を算定したりします。
なお、中間利息の控除とは、例えば、同じ100万円でも、今もらえば100万円ですが、1年後にもらう場合は、銀行等に預ければ利息が付くので、利息分を加えた金額としてもらわなければ割に合いません。
この逆で、1年後にもらえるはずの100万円を早くもらう場合には、利息分を差引いた金額となります。
なお、利率は、民法に規定のある年5%が適用されます。
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監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。