弁護士が役に立ったと思う交渉術⑤-プランBを考える
交渉そのものではなく事前準備にあたりますが、今回は、プランBの必要性とプランの立て方について記載します。
1 プランBは絶対必要
プランBは、当初の交渉プラン(プランA)がうまくいかなかった時に実行する代替案です。
一般の方の交渉、あるいは、依頼者の方の希望をうかがっていて、「その主張をするのはいいけれど、相手が応じなかった場合どうするつもり?」と思うことが良くあります。
交渉は、相手があってするものですから、思い通りにいくとは限りません。
たとえ自分では妥当な案だとと思っても、相手が応じないということはよくあります。
そういった場合にどうするかということを考えておく必要があります。
また、プランBがあることで、プランAの交渉を自信をもって進めることができます。
2 プランBの要件
① 相手方の協力なく、単独で行える行為であること
プランBに絶対必要なことは、相手の協力がなくても実行できる行為であることです。
相手との交渉がうまくいっていれば、プランA、あるいは、交渉の流れの中で修正を加えたプランA2で話を進めればいいだけです。
でも、それではうまくいかない、相手が応じない場合にとる手段なのですから、プランBは、相手の協力なく実行できるプランである必要があります。
一番わかりやすいのが、
交渉(プランA)→決裂→裁判(プランB)
という流れです。
裁判をするにあたって相手の許可はいりませんから、相手が応じなければ、こっちが裁判を起こせばいいのです。
裁判に限らず、何か相手の協力なしで、一人でできることはないのかを検討してください。
② プランBを実行することで、現状より良い結果となること
これも当然のことではあるのですが、プランBを実行して今より状況が悪くなったのでは意味がありません。
プランBを実行した場合、現状より良くなるかどうか、最悪でも今よりは悪くならないといえるかを、よく検討してください。
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監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。