離婚と成人した子供
離婚時にお子さんが成人している場合、お子さんに関する取り決めはどうすればいいのかというご相談を受けることがあります。
お子さんが成人している場合、親権等が問題になることはないため、問題となるのは戸籍の記載をどうするのかと養育費のみが問題となります。
養育費については、コラム養育費は何歳まで?に記載いたしましたので、そちらをご覧ください。
ここでは、戸籍について説明しますが、お子さんが結婚しているかどうか、父母のどちらの戸籍に載せたいかなどで手続が変わります。
1 お子さんが既に結婚しているか分籍している場合
お子さんが結婚している場合には、結婚時に独立した戸籍を作っているはずですから、両親が離婚しても何の影響もありません。
分籍している場合も同様です。
分籍とは、成人後に市区町村役場に申出て両親とは独立した戸籍を作ることです。
既に独立した戸籍を作っているので、両親の離婚に影響を受けません。
2 お子さんが現在同じ戸籍に記載されており、離婚後は現在の戸籍を抜ける父(母)の戸籍に入りたい場合
離婚をすると、戸籍の筆頭者でない方(結婚時に氏(姓、苗字、名字)を変えた方)が婚姻時の戸籍を抜けて新しい戸籍を作ることになります。
そのため、お子さんを戸籍を抜けた方の親の戸籍に入れるには、お子さん自身が家庭裁判所で「子の氏の変更許可申立」をする必要があります。
裁判所の許可が出たら、その書類を持って市区町村役場に届け出ることでお子さんの戸籍を移すことができるようになります。
この手続をすることで、お子さんも戸籍を抜けた側の親の旧姓を名乗ることも可能です。
3 お子さんが現在の戸籍にとどまることを希望しているとき
お子さんが現在の戸籍にとどまりたいという場合、とくに手続は必要ありません。
離婚時には、筆頭者でない者だけが現在の戸籍を抜けることになるからです。
4 お子さんがどっちの戸籍にも入りたくないと言っているとき
この場合、分籍をすれば、お子さんだけの戸籍を作ることができます。
分籍は市区町村役場で簡単に行うことができます。
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監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。