相手の責任で財産が減少した場合の財産分与
財産分与の基本は、離婚(別居)時にある共有財産をどのように分けるかという問題ですから、以前は財産があっても離婚(別居)時に共有財産がなければ、財産分与はなしとなるのが原則です。
しかしながら、相手の責任で直前まであった共有財産が減少してしまった場合に、この原則を貫くのが不当な場合があります。
その場合には、本来ならばその財産はあったはずと考えて、そのあったはずの財産を前提に財産分与を命じることがあります。
裁判例では、夫の不貞行為による示談金等で夫婦の貯蓄がなくなった事案で、夫に対し妻に財産分与として500万円を支払うように命じたものがあります(浦和地方裁判所昭和61年8月4日判決)
なお、単なる浪費の場合は、それを戻せとはならないのが原則です。
【関連コラム】
*財産分与の基準時と評価時
*コラム目次ー男女問題を争点ごとに詳しく解説-
監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。