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厚生年金保険法によれば、内縁関係の配偶者にも遺族年金を受け取ることができます。
では、重婚的内縁関係、つまり、法律上の妻がいるのに、別の女性と夫婦同然の生活をしていた場合には、法律上の妻と内縁の妻のどちらが遺族年金を受け取れるのでしょうか?
この点について判断したのが名古屋高裁平成29年11月2日判決です。
この判決は、原審となる岐阜地裁平成29年4月28日判決を若干修正する程度で、判断の枠組みとしては、一審、二審とも同じです。
具体的には、法律上の妻と事実上の離婚状態であり、内縁の妻の方が被保険者の死亡当時、被保険者によって生計を維持していたといえる場合には、内縁の妻の方に遺族厚生年金受給権があるとしています。
具体的な判決内容については、法律上の妻との生活状況や、内縁の妻との生活状況を細かく認定しているだけなので省略します。
厚生年金保険法59条1項
遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者・・・であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持したものとする。
厚生年金保険法3条2項
この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻届をしていないが、事実上婚姻関係と同様のある者を含むものとする。
なお、厚生労働省の遺族年金支給審査基準については、厚生労働省がパンフレットを作っております(こちらにPDFのリンクを張ります)。
ただし、同厚労省の基準については、不十分だとした裁判例もあるので、厚労省の基準に当てはまらない場合でも裁判をすれば請求が認められる可能性もあります。
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