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夫の浮気が原因で夫婦が不仲となり、夫が出ていく形で別居となった。
その後、妻は、夫に対して婚姻費用(生活費)を請求し、夫が支払うべき婚姻費用の金額が決まった。
ところが、その後に、夫と浮気相手との間に子供ができた。
夫は、浮気相手との子供に養育費がかかることから、婚姻費用の減額を請求をした場合、請求は認められるでしょうか?
このような事例について判断したものとして、名古屋高等裁判所平成28年2月19日決定というものがあります。
同決定では、夫は、浮気相手との子についても扶養義務を負うことになるのであるから、婚姻費用を減額するべき事情の変更があるとしました。
生まれてくる子供に罪はないのですから、その子供に夫の収入の一部をさかなければならない以上、相対的に婚姻費用が減額されてしまうのはやむをえないとの考えで、法律上はそのように考えるのが自然に思います。
ただ、妻側からすれば、勝手に浮気して出ていって、子供ができたから婚姻費用を減額しますなどという主張は許しがたいでしょう。
実際、この決定の原審である岐阜家庭裁判所中津川出張所の審判では、夫からの婚姻費用減額請求は信義則に反するものとして認められませんでした。
生まれてくる子供のことを考えて婚姻費用を減額するのか、浮気された妻とその子を優先するのか、なかなか難しい問題ですし裁判例もあまりないため、本件のような事情の場合に必ず減額されるというわけではありませんが、減額される可能性が高いとはいえるでしょう。
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