LINEのトーク履歴を不貞(不倫)の証拠にする方法
最近は、不貞(不倫)の証拠がLINEのトーク履歴というケースが増えています。
ただ、「不貞を認める内容がありました」というだけで、証拠として残していないというご相談もあります。
現時点では、LINEのトーク履歴は、LINEの運営会社でも最大2週間しか保存していないようですので、裁判所を通じて開示請求をしても、通知が運営会社に届くころにはデータは消されてしまって存在しないということになります。
では、相手の携帯が手に入った場合、削除済みのトーク履歴を復元できるかですが、最近はLINEトークの復元をうたっているデータ復旧業者があるので、費用さえかければできるようです(私は、まだ現実に復旧されたものを見たことがありません)。
そうはいっても、刑事事件と違い、相手の携帯電話を無理やり差し押さえるような手段はないので、相手が不貞を認めて携帯を差し出すか、機種変更して古いものを放置していない限り難しいでしょう。
そこで、LINEに不貞の証拠があった場合には、その場でこれを証拠化する必要があります。
時間に余裕があれば、LINEのトークが表示されている相手の携帯電話の画面をそのまま写真撮影してください。
そうすると、相手の携帯電話で、そのトークがなされたことが明確なので、その写真が証拠となります。
あまり時間がない場合や、量が多くて全部写真に撮れないような場合はパソコンなどにトーク履歴を転送してください。
アンドロイドの場合、やり方は簡単です。
① トーク画面を開きます
② 画面右上の「∨」マークを押します
③ 「トーク設定」を押します
④ 「トーク履歴をバックアップ」を押します。
⑤ 「テキストでバックアップ」と「すべてバックアップ」が表示されます。
パソコンで見る場合は、「テキストデバックアップ」を選択します。
「すべてバックアップ」は、スタンプなども丸ごとバックアップします。携帯の機種変更の場合にデータを引き継ぐために使う機能ですが、これを利用して自分の携帯で丸ごと見られるのかどうかは、私には分かりません。
⑥ しばらくすると、テキストファイル形式にデータ変換が終わるので、できたテキストファイルを自分宛に送信しましょう。
なお、相手のLINEデータをのぞき見たり、証拠として残したりという行為は、本来であればプライバシー侵害にあたる行為です。
例外的に、不貞行為による損害賠償請求のために許されるに過ぎないので、相手が何ら疑わしい行為をしていないのに興味本位でLINEトークの転送などをするのはやめてください。
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監修弁護士紹介
弁護士 本 田 幸 則(登録番号36255)
・2005年 旧司法試験合格
・2007年 弁護士登録
弁護士になってすぐのころは、所属事務所にて、一般的な民事事件はもちろん、行政訴訟や刑事事件、企業法務まで担当しました。
独立後は、身近な問題を取り扱いたいと思い、離婚や相続などに注力しています。
ご相談においては、長期的な視野から依頼者にとって何がベストなのかを考え、交渉から裁判まであらゆる手段を視野に入れてアドバイスいたします。
弁護士 鈴 木 淳(登録番号47284)
・2006年 早稲田大学法学部卒業
・2006年 法務省入省(国家Ⅰ種法律職)
・2011年 明治大学法科大学院修了
・2011年 新司法試験合格
・2012年 弁護士登録
一般民事事件や中小企業法務を中心として、交渉から裁判まで、様々な分野の案件を担当してきました。
この度、なごみ法律事務所の理念に共感し、市民の方の生活に密着した問題や、経営者の日常的に接する問題を重点的に扱いたいと考え、執務することとなりました。
ご依頼者と同じ目線に立ちながら、最善の解決策を共に考えてゆきたいと思います。