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離婚していないのに夫以外の男性の子を出産してしまった場合の法律関係はどうなるのでしょうか?
離婚していないのに他の男性の子供を出産した場合、普通に出生届を提出すると、夫の子供として戸籍に掲載され、夫から嫡出否認の訴えが提起されるか、妻側から夫を相手方として親子関係不存在確認の訴えを提起しない限り戸籍は訂正されません。
では、どうすればよいのかというと、出生届を提出せずに、遺伝学上の父親を相手として認知調停を申立てるという方法が可能です。
この場合、生まれた子に嫡出推定が及ばないことが必要となります。
つまり、客観的、外形的に見て夫の子であることがあり得ないといえなければなりません。
具体的には、子供を懐胎したといえる時期に夫は接触がなかったということを主張、立証する必要がああります。
認知調停で、夫の子であるとの嫡出推定が及ばず、かつ、認知調停の相手方の子であることの証明が出来れば、裁判所は遺伝学上の父親の認知を認める審判を下してくれるため、それと矛盾する夫の子ではなくなるということになります。
300日問題の場合は、上記の認知調停について審判をもらったあとで出生届を提出すると、母親の戸籍に子供が記載され、子供の欄に認知されていることの記載がされます。
ところが、離婚前に出産してしまった場合は、夫と妻は同じ戸籍に記載されていることが問題となります。
これを避けるためには、認知が認められた後、出生届を提出せずに、子の氏の変更を家庭裁判所に申し立てる必要があります。
なぜなら、結婚するときに妻が夫の姓になった場合は、夫を筆頭者とする戸籍に妻の記載があるため、子供は母親の戸籍=夫の戸籍に記載されてしまいます。
どの戸籍に記載されるかは、子供が生まれた時を基準として決まるので、認知調停や出生届けを遅らせても同じです。
そのため、出産後に離婚が成立すると、妻だけが夫の子籍から抜けることになるので、子供は父親でもない元夫の戸籍に残ったままということになります。
そこで、認知が認められても出生届を提出せずに、すぐに子の氏の変更手続きをします。
子の氏の変更が認められると、母親と同じ氏になり、初めて母親の戸籍に載せることができます。
この場合、たとえば、3歳の時に認知と子の氏の変更手続きが終わったとすれば、3歳から戸籍に載るということになり、1~2歳の戸籍は存在しないということになります。
なお、結婚するときに夫が妻の姓を名乗った場合には、子供は妻を筆頭者とする戸籍に記載され、離婚にともなって夫だけが出て行くことになるので問題はありません。
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