養育費・婚姻費用の増減額はいつから認められる?

2017-10-06

養育費や婚姻費用(離婚が成立するまでの生活費)は、取り決めをした後に事情の変更があった場合には増額または減額の請求が認められます(民法880条参照)。

 

では、実際に増額または減額が認めれられるのはどのタイミングでしょうか?

①増減額の事情が生じたとき?

②増減額を主張したとき?

③裁判所が審判を下したとき?

 

実は、この点については具体的な事情によって裁判例はまちまちです。

以下、場合分けをして、おおよその傾向を説明します。

 

1 婚姻費用の減額が生じるのはいつから?

婚姻費用の減額がいつから生じるかについては、請求時(通常は調停・審判申し立て時)とするものが、やや多いですが、審判時を基準とするものもあり、少数ですが減額事由発生時とするものもあります。

 

婚姻費用は、日々の生活費であることから、支払を受けたお金については生活費として使っていることも多く、減額事由が生じたあとに「もらいすぎていたのだから返せ」というのは酷だという面と、そうは言っても請求を受けた後は減額されることは予想できたし、現に減額事由はあるのだから、権利者に酷という事情もないでしょう。

という理屈のようです。

2 婚姻費用の増額が生じるのはいつから?

婚姻費用の増額については、ほぼすべての裁判例が請求時(通常は調停・審判申し立て時)を基準に増額を認めています。

 

これは、権利者側に増額した婚姻費用をもらう権利があることと、「決まった金額を払っていればよい」と思っていた義務者側の認識とのバランスを図ったもののようです。

 

3 養育費の減額が生じるのはいつから?

養育費の減額の効果が生じる時期も、婚姻費用の場合と同様に請求時(通常は調停・審判申し立て時)とするものが多いですが、審判時を基準とするものもあり、少数ながら減額事由発生時とするものもあるという状況です。

もっとも、養育費については、請求時から減額するとしている家庭裁判所の審判を、東京高等裁判所が審判時を基準とすべきと変更したものがあります。

その理由としては、養育費は日々発生し費消されていくものだから、それを返せというと未成年者が困窮することが予想されるからだとしています。

多くの裁判例が家庭裁判所の審判にあるのに対し、東京高等裁判所の判断ということで今後重視されるかもしれません。

4 養育費の増額が生じるのはいつから?

養育費の増額が生じる時期については、審判結果だけを見ると、増額事由発生時とするものと請求時(通常は調停・審判申し立て時)とするものが多いですが、その審判内容をみると増額事由発生時としているものは、請求後に増額事由が生じていることから、請求時を基準としているといってよいでしょう。

 

 

 

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