子供が両親の間を行き来している場合の婚姻費用

2015-08-03

婚姻費用の内容は、子供と相手方配偶者の生活費ですが、子供が両親の間を行き来しており、どちらか一方がずっと養育しているとはいえない場合は、婚姻費用算定表(または標準算定式)の金額を基準に、一定額が減額されることがあります。

 

たとえば、広島高等裁判所岡山支部平成23年2月10日判決では、平日は母親の下で生活しているが、金曜日の夕方から日曜の夕方までは父親の下で生活しているという事案について、養育費算定表の金額は5万円だけれども、週末の分は差引いて4万5000円とするのが適当としています。

 

ここで問題となるのが、別居中に面会の取り決めをして、子供を相手に預けたところ、相手が子供を帰さなくなったという場合です。
この場合には、子供の生活費相当額の婚姻費用は発生していないので、相手が、「その金額について支払をしない」と言えば主張が通りそうにも思います。
しかし、東京高等裁判所平成24年12月28日決定は、約束に反して子供を帰さなかった者が、婚姻費用の減額を主張することは、信義誠実の原則(民法1条2項)に反し許されないとしています。
この裁判例がどの程度一般化できるかは議論の余地がありますが、当初の約束に反して子供を帰さなかったり、子供を連れ去ったりした者が、婚姻費用を減額するよう主張しても認められないと考えておいて良いでしょう。

 

【関連コラム】
男女問題コラム目次

 

Copyright(c) なごみ法律事務所 All Rights Reserved.