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いきなり期待を裏切るようで申し訳ないのですが、弁護士は交渉のプロではありません。
弁護士は法律のプロであって、裁判をするための訓練は受けますが、交渉に関しては何の訓練も義務づけられていません。
しかし、おそらく他の職業の方よりは、敵対関係にある相手と、重大な問題について交渉する場面は多いと思います。
ですから、きちんと意識して交渉している弁護士であれば、そのような敵対する関係にある相手に、どのように対処すればよいかのノウハウがあると思います。
そこで、私の個人的な経験のみですが、効果的と考える交渉術についてまとめてみました。
その前に、注意していただきたいことが3つあります。
① 交渉とは、全員が、今以上の利益を受けられる方法を探すこと
自分だけが利益を受け、相手には不利益しかないのであれば、それは、あなたの意見を押しつけているだけで、交渉ではありません。
それができるのであれば、それでもかまいませんが、そうは上手くいかないから交渉になっているはずです。
ですから、交渉では、相手のメリットも考える必要があります。
② 交渉は予定どおりに進まない
良心的な交渉術に関する書籍等には書いていますが、生身の人間を相手にしている以上、その交渉術を使ったからといって必ず上手くいくとは限りません。
交渉術は、あくまでも良い結果になる確率を上げる程度の効果しかありません。
なお、交渉が決裂したらどうするかも必ず考えておいてください。
③ 交渉術を使っていると思われてはいけない
相手に、「交渉術を使っている」とか「答えを誘導している」と思われたら終わりです。
自分を操る人間に好感を持つ人間はいません。
操ろうとしていると思われたら、交渉はニュートラルに戻るのではなく、マイナスになります。
では、次回から、具体的な交渉術について書いていきます。