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面会交流拒否を理由に親権変更?

福岡家庭裁判所は、平成26年12月4日決定で、親権者である母親が、子供と父親との面会交流を認めないことを理由に、親権者を父親に変更するとしたそうです。

この決定については、本コラム執筆時点で一般報道があるだけで、判例集等には載っておらず、詳細は分かりません(末尾に追記しました)。

毎日新聞によれば、子供は7歳で、父親は40代、離婚調停では親権を争ったけれども、親権者を母親とし父親とは月一回の面会を認めることで、平成23年11月に離婚が成立したそうです。

しかし、その後、母親が子供と父親との面会をさせなかったため、父親が親権者変更の申立をし、裁判所が「父親と長男の関係は良好だった。円滑な面会交流実現のためには親権者変更以外に手段がない」との理由で親権を変更したそうです。

なお、母親に虐待や家庭内暴力等はなかったとのことです。

親権者が、離婚後他方の親に子供を会わせないことは多々あり、悩んでいらっしゃる方が多いのは事実です。

他方で、「この人とは面会交流を認めない方が子供にとって良いのでは・・・」と思うことがあるのも事実です。

現時点で報道レベルでしか情報がないため、今回の判決が、適切なものかどうか分かりません。

今後、この決定が、合理的な理由もないのに、子供と親の面会交流を拒否する方への抑止力になるかもしれないと思うとともに、親権者変更はやり過ぎではないかとも思います。

本決定について詳細が分かれば、後日、追記いたします。

追記

本件は、父親を親権者(監護権を除く)とし、母親を監護権者とするのが相当との判決をしたものです(判決確定)。

判決が判例集に載ったため、詳しくご紹介しようとしたのですが、判決内容は、子供の従前の監護状況や離婚調停でのやりとりなどの具体的な事情を細かく認定したうえで、上記結論が相当としており、ほぼ全文を転載しないといけなくなるため、申し訳ありませんが控えさせていただきます。

判決内容を読む限りでは、父親と子供を会わせることが不利益といえるような事情はなかったようです。

監護権を除く親権を父親に移しただけなので、今後も母親の下にいる子供と父親の面会交流は問題となりますが、親権者が父親のため法律行為には父親の同意が必要となること、親権を奪われたという事実自体が母親にとってショックなことであることから、この判決をすることで母親へ、心理的プレッシャーをかけたのでしょう。

裁判所が相当悩んでこの判断をしたのは推察できますが、このまま母親が面会交流に応じなかった場合はどうするのでしょうか?

子供のことを考えれば、監護権者の変更まですることはどうかと思います。

また、仮に、父親が母親への対抗措置として、子供の進路などの重要事項について同意しないということも考えられます。

なかなか悩ましいところですが、果たしてこの解決方法で良かったのか疑問が残ります。

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