弁護士と司法書士、行政書士の違い

弁護士と司法書士、行政書士の違いについてご質問を受けることがあります。

違いは、弁護士のみが、最初の試験(司法試験)から、研修(1年以上の司法修習)、研修後の試験(通称二回試験)まで一貫して、トラブルを法律的に解決することを目的とした訓練を受けているということです。

弁護士が、司法書士や行政書士より優れているということではありません。
異なる目的の資格だということです。

以下で詳しく説明します。

弁護士とは?

弁護士は、トラブルに巻き込まれた方から依頼を受け、裁判などの手続きでこれを解決することを主な仕事にしています。

このことは、弁護士法3条1項に規定されています。

弁護士法3条(弁護士の職務)
弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によって、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。

そのため、弁護士になるための試験である司法試験も、トラブル事例があたえられ、法律を使ってどのように解決するかという問題になっています。
司法試験合格後も、司法研修所で裁判をするための訓練を受け、試験に合格し、弁護士会に登録すると弁護士になれます。

裁判をするプロが弁護士なのです。

司法書士とは?

司法書士は、登記又は供託に関する手続きを代理すること、法務局に提出する書類を作成することなどが主な仕事です。
たとえば、家を買ったので所有権移転登記をしたいとか、会社を立ち上げたので会社の設立登記をしたい、といった場合にお世話になることになります。

このことは、司法書士法3条1項と29条1項に規定されています。

司法書士は、法律知識を生かして、公的な書類を作成するプロということになります。
ですから、司法書士になるための試験も、公的な書類を作成することを前提とした試験となっています。

なお、2003年から、一定の研修を受けて認定試験に合格した司法書士は、簡易裁判所の事件のみ依頼者を代理できるようになりました。
しかし、あくまでも簡易裁判所のみの代理権であり、最初の資格試験から、裁判をすることを主目的として訓練を受けた弁護士とは異なります。

「弁護士より司法書士のほうが料金が安いのではないか?」という質問を受けることがありますが、料金については自由化されているため、司法書士のほうが安いとはいえません。
なかには、一般的な弁護報酬よりも高い報酬を請求している司法書士事務所も存在します。

行政書士とは?

行政書士は、①官公署に提出する書類を作成など、②遺産相続協議書などの権利義務関係に関する書類の作成など、③議事録などの事実証明に関する書類の作成など、を業務としています。

これらについては、行政書士法1条の2と1条の3に規定されています。

行政書士も法律知識が必要となる職業ですが、紛争性があるものについては代理することが出来ないことになっています。
ですから、相続や離婚などについて、相手と話し合って合意ができたけれども、念のために文書にしたいので書類を作ってほしいという依頼はできますが、相続や離婚でもめたので相手と交渉してほしい、という依頼をすることはできません。

また、行政書士も料金は自由に決められるので、弁護士よりも安いとは限りません。
こちらも、一般的な弁護士報酬よりも高い報酬を請求している行政書士事務所も存在します。

 

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