財産分与の基本

2015-08-09

財産分与については、民法768条3項が、「当事者双方が協力によって得た財産の額その他一切の以上を考慮して」決めると定めており、財産を半分に分けるというだけではなく、夫婦のお金に関する問題を調整するという側面があります。
具体的には、
・清算的財産分与
・扶養的財産分与
・慰謝料的財産分与
の3つの性質があるといわれています。

 

1 清算的財産分与

清算的財産分与は、夫婦が協力して得た財産を共有財産と考えて、その財産を作るのに後見した程度に応じて分けるもので、一般的にイメージされる財産分与です。

 

夫婦が協力して得た財産が対象となるので、結婚前の財産や、相続で得た財産など、夫婦で協力したといえない財産は、財産分与の対象となりません。
ただし、もともと夫婦の共有財産とはいえなくても、その財産の維持・管理に協力していたような場合には、その財産の一定割合の金額について財産分与の対象となります。

 

具体的にどのような割合で分けるかですが、原則として2分の1とし、一方の特別な才能などによって得たといえるような場合には、割合を変更します。

 

【清算的財産分与に関するコラム】
子供関係の財産・会社関係の財産は財産分与の対象となるか?
夫婦共有財産であることの証明
財産分与の基準時と評価時

 

2 扶養的財産分与

扶養的財産分与とは、当事者の年齢や、稼働能力、乳幼児の有無などの事情から、一方が収入を得るのが困難または不可能な場合に、離婚後の生活費のための金員を財産分与の際にある程度考慮するものです。
本来、離婚すれば他人になるので、相手の生活の面倒を見る必要はないはずだけれども、慰謝料や生産的財産分与を考慮しても、一方が過酷な状態におかれるような場合に認めらます。
裁判になった場合には、当面の生活費相当分を一括で支払うように命じるものが多いですが、毎月一定金額を1~3年程度の間支払うように命じるなどのケースもあります。

 

3 慰謝料的財産分与

現在では、ほとんどの方が離婚慰謝料という言葉を知っており、離婚の際に慰謝料を求めるのが一般的ですが、慰謝料を請求しなかった場合でも、離婚に至る経緯から慰謝料を支払うのが相当と考えられる場合に、財産分与の際に考慮されるものです。
裁判で、慰謝料を含む趣旨の財産分与がなされると、慰謝料の支払があったことになり、別途支払を求めることはできません。

 

4 具体的な手続

財産分与は、離婚と一緒に申立てる方法と、離婚後に別途請求する方法があります。

 

⑴ 離婚と一緒に申立てる場合

 

離婚と一緒に申立てる場合は、夫婦関係調整調停(離婚)の申立書式に財産分与を求めるかどうかのチェック欄があるので、チェックしてください。
財産分与を求める金額が決まっていれば、その金額を書けば良いのですが、決まっていない、または財産が分からないという場合は、相当額を支払うように求めます。

 

離婚調停が成立しなかった場合は、離婚裁判と一緒に判断されることになります。

 

⑵ 離婚後に財産分与を請求する場合

 

離婚後に財産分与を請求する場合は、家庭裁判所に財産分与請求調停を申立てることになります。
財産分与請求調停の申立書などについては、裁判所の財産分与請求調停のページに記載例があります。

 

財産分与請求調停が成立しなかった場合、離婚と一緒に申立てる場合と違い、調停に引き続き行われる審判で裁判所が決めることになります。

 

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